債務整理、自己破産、民事再生のどれを選べばよいですか? Jikohasan

債務整理、破産、民事再生の違い

①債務整理とは

債務整理(任意整理)は、裁判所を通さずに、債権者と交渉し返済総額、回数、毎月の返済額を変更するものです。債務整理は裁判所を使わずに交渉だけで条件変更するものですのでそれほど大幅な条件変更までは期待できません。多くは、将来利息のカットをしてもらい、整理時点の残金を30回程度~100回程度(回数は業者や取引年数等によって異なります。)の分割払いにする内容で組み直します。それでも契約上の利息を全額払うよりは大きな負担軽減にはなるでしょう。借金の金額が比較的少なく、安定した返済原資がある方が対象となります。

②破産とは

破産(自己破産)は、現在ある資産(全部ではなく99万円以上の財産が対象になります。)を債権者に配当して、それで終わりにするもので、払いきれない借金は「免責」され、ゼロになるという手続です。裁判所に申し立てをして行います。配当する資産がなく1円も配当せずに、借金が免責される場合もあります。返済原資がない場合や、借金が大きい場合に選択します。

③民事再生とは

民事再生(個人再生)は、裁判所の関与のもと、例えば、500万円の借金があったらこれを100万円まで減額し、100万円を3年~5年の分割払いで払えばよいとするものです。借金の内容は大幅に変更されます(※)。債権者の反対が半数を超えれば、再生計画は認可されませんが、破産になるよりましなので通常は反対する債権者はいません。

※どこまで減額されるのか(最低弁済額)は以下のようになります。5000万円の借金があっても500万円まで減額されることになります。但し,財産がある場合はその財産より下回ることはできません。

100万円以上500万円未満の場合 100万円
500万円以上1500万円未満の場合 5分の1
1500万円以上3000万円未満の場合 300万円
3000万円以上5000万以下の場合 10分の1

破産より民事再生を選んだ方がよい場合

①免責不許可事由がある

では、破産すれば1円も配当しなくてよいのに、なぜ、民事再生で100万円を支払っていくことを選ぶ人がいるのでしょうか。破産の場合、浪費やギャンブルが借金の原因の場合免責不許可になる可能性があります。実際には免責してもらえることが多いでしょうが、その判断のために破産管財人の費用(20万円程度)を別に裁判所に支払わなければなりません。しかし、再生の場合、半数の債権者の反対がなければ、浪費やギャンブルでも再生計画が認可されます。

②資産がある

他に、財産があって破産した場合にいくらか配当しなければいけない場合、例えば退職金や生命保険などの資産が200万円あった場合、破産だとこれを配当に当てなければならなくなってしまい、本当に退職したり保険を解約したりできない場合、かわりに200万円を調達してきて配当に回すことを求められます。民事再生の場合は、最低弁済額が200万円を下回ることはできませんが、一度に200万円を配当しなくても、3年~5年かけて200万円を弁済すれば済むことになります(厳密にはこの場合、債権者から再生計画を否決されてもおかしくないのですが、破産になった場合、破産管財人の報酬や滞納税金が優先支払いとなるため、実際にどのくらいの配当になるかは確実には予測できないので否決されることはまずありません。)

③住宅ローンがある

また、破産の場合、住宅ローンがある場合は住宅ローンも免責されるかわりに、自宅は競売になってしまいます。しかし、民事再生の場合、住宅ローンだけは債権カットにしないで契約通り支払うという再生計画にすることができます。そうすることにより自宅が競売にならなくて済むというメリットがあります。

民事再生は、安定した収入があって、住宅ローンがある、または破産したら免責不許可が心配、配当しなければならない資産があるという人のための選択肢といえます。そうでない方があえて民事再生を選択する意味はあまりありません。

借金の整理についてもどの手続きをとるか、どのタイミングでやるかなど、個別の判断が必要になります。

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